| ■第4回 【焼肉はみんなでたのしく】 |
みなさんのなかで、一人で焼肉屋さんに行って食事をするという方って いますか?いるとすればその人はおそらく、よっぽどの焼肉好きか はたまた家族やともだちのいないとっても淋しい人じゃないでしょうか。
実際、一人ぼっちのお客さんはあまり見かけませんよね。夕食時の焼肉 屋さんをのぞいて見るとどうでしょう。ありますあります、たくさんの
笑顔。カップルに家族連れ、親しい友人同士、みんな楽しそう。
お気づきの方もいると思いますが、焼肉屋さんには個人(一人用)席が ありません。店によってはカウンター席があるところもあるのですが 一人用のロースターがあるのかといえば、そんなものは見たことがない。
最低でも二人で一つのロースターをかこむわけで、だからといって客が 複数いれば良いというものでもない。そば屋とか定食屋さんなどでよく
やっている、「相席で」というのが無いんです。これは焼肉の世界では しごくあたりまえのこと。あかの他人と同じ席で肉を焼いて食べる姿を
想像してみてください。「じゃ私はこっちの部分で焼きますから」と 境界線を引いてみたり「サンチュの切れっぱしがのっかってるのが僕の です」と目印を付けてみたり。会話もなく、ジュージューと肉の焼ける
音もどこか寂しげで、ただ黙々と食べるだけ……。そうまでして食べた いなんて、誰も思わないですよね。
そう、焼肉屋さんのつくり自体が一人客を想定していないのです。気の 合う仲間同士でロースターをかこみ、ワイワイガヤガヤと楽しく食べる
これが焼肉の元来の食べ方であり、特徴、魅力の一つと言えるでしょう。 97年に在日本朝鮮人商工連合会がまとめたアンケート調査(35都道府
県の焼肉店来店者2120人対象)のなかで、お客が焼肉店を利用する 目的を聞いたところ「大勢で食べられるから」が33.4%で僅差の 2位(1位は「スタミナをつけるため」で33.5%)。利用動機につ
いての問いに対しては「家族との食事」が38.5%、「親しい友人と の食事が33.5%と、この2つで7割を超えました。焼肉は一人で食
べないということを見事に裏付けるデータではないでしょうか。
個食の時代と言われ、飲食店でも個人向けの商品やサービスに力が注 がれがちですが、そんなときこそ大勢の客に笑顔をもたらしてくれる焼 肉店の存在は、今後ひときわ輝きを増すことと思われます。
みなさん、焼肉はみんなで楽しく食べましょう。(MIN)
※プロフィール
MIN : 東京生まれの在日コリアン3世 スーパーミクロ経済・アナリスト ちなみに実家は元焼肉屋
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