| ■第5回 【焼肉はおいしいに限る】 |
業界最王手のY社の参戦を契機に、牛丼屋さんの値引き戦争が俄然ヒートアップ。とうとうコンビニの牛丼弁当にまで飛び火してしまいましたね。「このままだと戦火が焼肉業界に押し寄せるのも時間の問題」「いや、すでに激安チェーン店があちこちにできている」といった巷(ちまた)の声が聞こえてきますが、果たして焼肉屋さんは、このデフレ戦国絵巻きに巻き込まれるのでしょうか。
わたしがはじき出した答えは「ノー」です。 そもそも焼肉と牛丼とでは大きな違いがあります。 高級店、大衆店、低価格店など、焼肉屋さんにいろいろな業態(営業形態)があるのに対し、牛丼屋さんは一つ(ファーストフードの形態)しかありません。
焼肉屋さんでは「料理」を提供しますが、牛丼屋さんは「食事」を提供します。その主なターゲットは「時間を惜しむ人」で、とりあえず簡単に食事を済ませたいという人なのです。
この牛丼屋さんのターゲットたちが求めるのは何でしょうか。まず第一に「スピード」。これはファーストフードの形態をとることでクリアしました。次に「味」はどうでしょう。急いで食べなければならない人たちにとって、味にこだわってる暇はありません。そこそこであればいいのです。あとは、というとやはり値段です。競合店のどれもが同じ形態、似たような味で、しかも味をとことん追求しなくてもいいなら、「価格」をおいて他に差別化をはかる術は無い。牛丼戦争の背景の一つだと思います。
「料理」を提供する焼肉屋さんに、お客が一番に求めるのは何でしょうか。やはり「味」です。前回に引用したアンケート(97年に在日本朝鮮人商工連合会が35都道府県の在日コリアンが経営する焼肉店来店者2120人を対象にまとめたアンケート調査)によれば、「あなたが選ぶ焼肉店の基準」(複数回答)の1位に「味がよい」(66.3%)、2位には「肉質がよい」(55.8%)がそれぞれランク。「料金が安い」は32.6%で3位という結果が出ました。
調査した年にはまだ牛丼戦争がなかったかと言えば、期間限定の値引きなど、小さい範囲ではありましたし、焼肉屋さんの激安店も存在してました。それでも他のいろんな形態の焼肉店が価格競争に巻き込まれないのはおそらく、客が何よりも味を求め、またその満足を得るための出費はいとわないという心理が作用するからなのでしょう。
おいしい焼肉を食べるのならそれなりの出費は……覚悟の上ですよね、みなさん。でもやっぱり出費は痛い。そんなみなさんのためにあるんですよね、焼肉天国.com。
(MIN)
※プロフィール
MIN : 東京生まれの在日コリアン3世 スーパーミクロ経済・アナリスト ちなみに実家は元焼肉屋
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