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第10回 【豚カルビと薬念(ヤンニョン)の幸せな出会い】
韓国では牛肉は何より豚肉を好む人が多いようです。
特に豚カルビは特有の香ばしさの有る薬念(ヤンニョン)と上手く絡み合い 人々の食欲をさらに沸き立たたせてきました。
薬念(ヤンニョン)とは「薬になれと念じて作る」と言う意味で、韓国に根付く 医食同源を反映した言い回しです。
具体的に何を指すかと言えば、簡単に言うと 香辛料や調味料の総称です。
日本語では「タレ」と呼んでもいいでしょう。
味噌・醤油・唐辛子・大蒜等の材料を素材に合わせ様々に組み合わせていきます。
焼肉のつけダレ、もみダレ、チヂミのタレ等から キムチを漬ける際の唐辛子や塩辛なども薬念(ヤンニョン)と言われています。
その調合は身体を労わるだけでなく、素材の味に深みをもたらします。
豚カルビに用いられる薬念には上記の他に梨をはじめ数種の果汁が 使われています。
これらは豚の臭みを取るだけで無く、味をまろやかにして 肉を柔らかくする効果があるのです。
素材に合わせた薬念作りが料理の味を左右すると言ってもいいかもしれませんね。
では、素材の豚にはどんな力が秘められているのでしょう?
一般的に知られるのはビタミンB群が豊富に含まれることです。
ビタミンB1においてはその量は牛肉のおよそ10倍と言われます。
ビタミンB1には消化を促し、食欲の増進に効果があるので、夏バテには もってこいの素材でしょう。
その他にも脂質の代謝、末梢神経の作用維持効果があり、 最近大きな問題にもなっているうつ病の予防にも効果があります。
ビタミンB2は成長促進、炭水化物・アミノ酸の代謝には欠かせないものです。
育ち盛りのお子さんには是非オススメしたいものです。
更に、豚カルビには豚肉の他の部位の比べビタミンAが多く含まれています。 ビタミンAには目の粘膜を守る働きがありドライアイ、疲れ目には特に 効くようです。
またビタミンだけでなくコラーゲンも豊富に含まれ、美肌効果にも期待が持てます。
日本ではまだあまりなじみの無い「豚カルビ」ですが、おいしいだけでなく こんなにも身体にうれしい食べ物なのはわかっていただけたでしょうか?
話は少しそれますが この様な効果を知っていたのか、食の宝庫中国では5000年前から豚肉を食し、 現在でも『肉』と言えば牛よりも豚の方を指すそうです。
中国では豚肉が牛肉よりも高価だという事も関係しているかもしれませんが、 長い歴史の中で豚肉の持つ力を知らず知らず学んできた結果なのかも知れませんね。
最後にそんな事を感じさせる出来事を付け加えて起きます。 私は一度、中国人の友人に 「中国では『肉』と言えば豚肉と言うのはどうしてなのか?」と聞いてみたことがあります。
すると彼は 「チェさん、牛は草を食べて育つが、豚はなんでも食べて育ちます。 人もなんでも食べる雑食性ですよね? 草をたべる牛となんでも食べる豚のどちらがいいと思いますか?」 と彼は笑顔で答えました。
歴史に裏打ちされたこのおおらかさは見習ってみたいものです。
※プロフィール チェ・ギュナン :韓国焼肉 徳水宮 代表
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